アルマの発見 きれいなすき間は新しい惑星(わくせい)のヒント? Read time: 1 minute もしあなたが自分の部屋をそうじしなかったら、ゴミがあちこちにちらかってしまいます。同じことは宇宙でもおこります。たとえば、若い星のまわりにはちりとガスがたくさんあって、円盤(えんばん)を作っています。そうじをしなかったら、ちりは円盤全体に広がってしまうでしょう。 この写真は、アルマ望遠鏡が撮影(さつえい)した若い星です。この写真で、何もないように見える暗い部分は、なんでしょう?アルマは小さいちりのつぶが出す電波を見ることができます。この写真の明るいリングは、ちりがたくさんあるところです。暗い部分にはちりがあまりありません。それはまるでだれかが大きな宇宙のそうじきで吸い取ったようなものです。 もちろん、宇宙にそうじきはありません。しかし、新しく生まれた惑星(わくせい)が、まるでそうじきのようにはたらきます。惑星は、ガスとちりの小さなつぶが集まってできていますが、惑星が十分に大きくなると、その重力で自分の通り道からちりのつぶをきれいにはじきとばしてしまうのです。 研究者はこの星のまわりには少なくとも2つの大きな惑星があると考えています。1つは円盤の中心に空っぽの穴を作っています。もう1つはより外側にすき間を作っています。ちりの量とすき間の大きさから考えると、この惑星は太陽系の木星と同じくらい大きく重いはずです。アルマはガスとちりの円盤に囲まれた他の星も調べています。いろいろな天体で同じようなリングやすき間が見つかっています。つまり、ほとんどの若い星で、そのまわりでは惑星ができているということです。 なにを? アルマ望遠鏡が観測した星は、HD169142という名前がついています。地球からいて座の方向に約470光年はなれています。その星は太陽より70パーセント重く、もっと明るく輝いています。年齢は太陽よりずっと若く、 たった600万才です。2つのちりのリングは、中心の星から遠く離れています。内側のひとつは海王星から太陽くらいの距離。外側の1つは冥王星(めいおうせい)から太陽くらいの距離です。 だれが? アルマ望遠鏡のHD169142のまわりのちりの写真は、9人の天文学者チームによって撮影されました。研究者はイタリア、オランダ、イギリス、ドイツから集まっています。研究者チームのリーダーはイタリア・フィレンツェ国立天体物理学会のダビデ・フェーデルさんです。 チームは発見したことを、専門の雑誌『アストロフィジカル・ジャーナル』で発表しました。 ALMA URL