砂粒のリングが教えてくれる、未知の惑星

砂粒のリングが教えてくれる、未知の惑星

Read time: 1 minute

アルマ望遠鏡が、星のまわりをまわる小さな砂粒のリングの写真をとりました。でも、ひとつ問題がありました。リングの内側が、思っていたよりもずっと星から遠い場所にあったのです。もしかしたらそこには、まだだれもしらない惑星(わくせい)があるのかもしれません。

この星HD8799のまわりには、4つの大きな惑星があります。大きな望遠鏡を使ってとられた写真では、この4つの惑星がはっきり写っています。しかも、何年か前に撮った写真と比べると、惑星がうごいているようすもわかるのです!

私たちが住む太陽系には、惑星だけでなく、砂粒のようなものや、もう少し大きな岩のかたまり(小惑星)や、氷でできた彗星(すいせい)もあります。海王星の外には、氷でできた天体がたくさん集まった場所もあります。これを、カイパーベルトと呼びます。

アルマ望遠鏡がHR8799のまわりに見つけたのは、カイパーベルトと同じようなものかもしれません。アルマ望遠鏡は、そこにある数ミリメートルのおおきさの砂粒から出てくる電波をキャッチしました。こうした砂粒は、彗星のような天体がおたがいにぶつかってこわれたときにばらまかれたと考えられます。

HR8799のまわりのカイパーベルトは、いちばん内側でも星から220億キロメートルのところにありました。これは、地球と太陽のあいだの距離の150倍にもなります。カイパーベルトの外側は、630億キロメートル(地球と太陽のあいだの420倍)という大きさです。

そのようすがわかったのはいいのですが、ひとつフシギなことがありました。天文学者は、カイパーベルトの内側がもっと星に近いだろうと思っていたのです。太陽系では海王星のすぐ外側にカイパーベルトがあるのと同じように、HR8799のまわりでも、一番外を回る惑星(HR8799 b)のすぐ外側にカイパーベルトがあると考えられていたのです。HR8799 bは、星から102億キロメートル(地球と太陽のあいだの距離の68倍)のところをまわっています。

今のところ、HR8799のカイパーベルトがなぜこんなに外側にあるのか、はっきりとはわかっていません。もしかしたら、写真には写っていない別の惑星が、惑星HR8799bの外側にあるのかもしれません。今後の観測で、もしかしたらその惑星が見つかるかもしれませんね。

なにを?

HD8799は、地球から129光年のところにあります。星座では、ペガスス座の中です。この星の年齢は3000万才と、やや若い星です。この星は、太陽の1.5倍ほど重たい星で、その分明るく光っています。2008年に、この星のまわりで3つの巨大な惑星が見つかりました。数年後に、4つ目の惑星も見つかりました。今回アルマ望遠鏡が見つけたのは、これら4つの惑星よりもずっと外側にある、砂粒の帯(おび)です。

だれが?

この観測をしたのは、チリにあるカトリカ大学のマーク・ブースさんたちのチームです。チームには、チリのほかにイギリスとアメリカの研究者も入っています。この発見は、イギリスの専門的な雑誌「英国王立天文学会誌」で紹介されました。


ALMA URL