アルマの発見 惑星はフワフワの砂からできる? Read time: 1 minute 小さな種から大きな木が育つように、惑星(わくせい)も小さな粒(つぶ)ほどのちりからできます。まず、ちりの粒がおたがいにくっついて、どんどん大きくなります。さらにまわりの粒がくっついて、石ころくらいの大きさになり、やがて岩くらいの大きさになります。大きくなってくると、おたがいを重力で引きあうようになり、最後には合体して惑星ができます。 今回、研究者はその惑星のもとになるちり粒の大きさをはかることに初めて成功しました。観測したのは、地球から500光年はなれたところにある生まれたばかりの星のまわりです。もちろん、現地に行って直接大きさをはかることはできません。そのかわりに、アルマ望遠鏡をつかってこのちりが出す電波の「ゆれる向き」を観測したのです。 光も電波も、波のようなものです。しかも、いろいろな方向にゆれる波です。しかし、この波がちりの粒にあたってはね返るときには、ある方向にだけゆれる波ができます。 この波の大きさとゆれている方向を調べると、電波をはね返したちりの粒の性質がわかります。アルマ望遠鏡の観測から、若い星のまわりのちりの粒はとても小さいことがわかりました。1mmの、さらに1/7くらいしかないのです。 この結果に、研究者はみんなおどろきました。なぜなら、みんな若い星のまわりのちりは1mmくらいあるだろうと思っていたからです。なんで結果がちがったのでしょう?実は、以前はちりがまん丸な形をしていると思っていたのです。でもアルマを使った研究者は、ちりはまん丸ではなく、ホコリのようにフワフワな形をしているのだろうと考えています。 何を発見したのですか? アルマ望遠鏡で観測したのは、地球から500光年のところにあるHD142527という番号の星です。おおかみ座のなかにあります。この星は、約500万年前に生まれたと考えられています。この星は、ガスとちりの円盤にかこまれています。将来、円盤の中のちりはくっついて大きくなり、地球のような惑星ができることでしょう。HD142527は、太陽の2倍くらいの重さがある星です。 だれが発見したのですか? ドイツのハイデルベルク大学にいる日本人天文学者、片岡章雅(かたおかあきまさ)さんが、日本やドイツの研究者と一緒にこの研究をしました。研究チームは、その結果を天文学の専門的な雑誌『アストロフィジカル・ジャーナル』で発表しました。 ALMA URL