大昔の宇宙で見つかった巨大銀河 

大昔の宇宙で見つかった巨大銀河 

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あなたは、新しく畑を作ることになりました。畑をたがやして、そして種をうえます。1週間後、急に大きな木が生えてくることはないですよね? 宇宙でもおなじで、宇宙がビッグバンで始まったすぐあとに大きな銀河があるはずはない、と天文学者たちは考えていました。でも、アルマ望遠鏡を使った観測で、大昔の宇宙にとても大きな銀河が見つかりました。 

ビッグバンは138億年前におきました。そのとき、宇宙はとても熱いガスでいっぱいでした。このガスが、重力にひっぱられてだんだんと集まっていき、ガスが集まったところで銀河の赤ちゃんが生まれます。銀河の赤ちゃんは、時間がたつにつれてほかの銀河とぶつかってひとつになり、しだいに大きな銀河が作られていきます。 

しかしアルマ望遠鏡による観測で、ビッグバンから7億8000万年後の宇宙に大きな銀河がふたつ見つかりました。しかもこのふたつの銀河は、まさにぶつかろうとしているところで、合体してさらに大きな銀河になろうとしています。天文学者たちが考えていたよりもずっと早く、銀河は大きく成長するらしいのです。 

この銀河は、南極にある南極点望遠鏡で見つかりました。でも、南極点望遠鏡はあまり視力がよくないので、ぼんやりとしか見えていませんでした。アルマ望遠鏡は南極点望遠鏡よりもずっと視力がよいので、この銀河をよりくわしく調べることができました。その結果、実はふたつの銀河がすぐとなりにならんでいるようすが見えてきたのです。この銀河から出た光が地球にとどくまで、130億年もかかることもわかりました。つまり、私たちが見ているのはこの銀河の130億年前のすがたなのです。 

このふたつの銀河では、星がものすごいいきおいで作られています。ふたつの銀河は25000光年しかはなれていないので、やがて合体して、さらにたくさんの星を作ることでしょう。こんな銀河をくわしくしらべると、宇宙が生まれた後、銀河がどのようにして作られ、どのように成長していくのかをさぐるヒントになります。 

なにを? 

アルマ望遠鏡が観測したふたつの銀河からの光は、130億年かかって地球までとどきます。ふたつの銀河のうちおおきいほうは、太陽2700億個分のガスをふくんでいます。この銀河では、1年間に何千個も新しい星が生まれているようです。小さいほうの銀河でも、1年間に生まれる星は何百個にもなります。私たちが住んでいる天の川銀河では、1年間に1個くらいしか星は生まれていませんから、このふたつの銀河でとてもはげしく星が生まれていることがわかります。このふたつの銀河は、まとめてSPT0311-58という番号で呼ばれています。 

だれが? 

この研究をしたのは、アメリカのアリゾナ大学の天文学者、ダン・マローンさんたちのチームです。この発見は、専門的な科学雑誌ネイチャーで発表されました。 

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