遠いふたご星をかこむナナメの円ばん
アルマの発見

遠いふたご星をかこむナナメの円ばん

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ステージのまんなかでおどっているふたりの主役をイメージしてみてください。楽しそうにおたがいのまわりをぐるぐるまわっています。他の登場人物たちはみんな、主役の二人のまわりをかこんで、一方通行の車のように同じ向きに歩いてまわっています。主役の二人と他の登場人物は同じステージにいます。科学者ならこれを「同じ平面の上を移動している」と言うでしょう。

宇宙では、少しようすがちがうようです。ふたごの星(主役の二人)がおたがいにまわり合うとき、そのまわりを動いていくわく星(他の登場人物)たちも同じ平面の上を移動しているのがふつうだと思うかもしれません。しかし、アルマ望遠鏡の観測によると、いつも同じ平面にあるとは限らないようなのです。

宇宙には、2つの星がたがいにまわり合うふたご星(=連星:れんせい)がたくさんあります。ふたご星のまわりにも地球や木星のようなわく星がまわっていることを、NASAのケプラー宇宙望遠鏡が発見しました。映画『スターウォーズ』にも、「タトゥイーン」というふたご星のまわりのわく星が登場します。もしこんなわく星に住んでいたら、空には1つではなく2つの太陽が見えることでしょう!

ケプラー宇宙望遠鏡は、いくつものふたご星のまわりにわく星を見つけました。わく星をもっているふたご星たちはすべて、「近いふたご星」とよばれ、おたがいに近い場所をまわり合っています。2つの星はそんなにはなれていないので、40日ほどでまわり合います。ふたご星のまわりのわく星たちはみんな、ステージの主役とそのまわりの他の登場人物たちのように、ふたご星と同じ平面上にいます。

アルマ望遠鏡は、わかい星(恒星:こうせい)のまわりの円ばんの中で新しいわく星が生まれるところをくわしく見るのがとくいです。そこで、「近いふたご星」を調べてみたところ、ふたご星とまわりの円ばん(わく星たち)は同じ平面上にあって、ケプラー宇宙望遠鏡の観測と同じ結果がえられました。しかし、アルマ望遠鏡は、おどろくような発見をしました。おたがいをまわり合うのに何カ月もかかるような「遠いふたご星」では、ふたご星とまわりの円ばんが同じ平面上にないケースが見つかったのです。

いつか、この「かたむいた円ばん」の中でわく星が生まれたら、そのわく星たちは、ふたご星に対してナナメにかたむいた軌道(きどう)の上を動いていきます。ステージでたとえるなら、主役のまわりの登場人物たちがステージの片側で2階への階段をのぼり、反対側では地下におりているようなものです。
どうやってわく星が生まれるのか、その答えを天文学者たちはおおよそ理解しています。今回のアルマ望遠鏡の観測は、「ふたご星のまわりでどうやってわく星が生まれるのか」というナゾに大きな光をあてることでしょう。


◎近いふたご星と遠いふたご星?

ほとんどのわかい星(恒星:こうせい)は、そのまわりにガスやちりでできた平らな回転円ばんをもっています。円ばんの中のガスやちりは、時間をかけてぎゅっと集まり、やがてわく星になります。アルマ望遠鏡は、この円ばん(原始惑星系円盤:げんしわくせいけいえんばん)をくわしく調べています。2つの星がたがいにまわり合うふたご星(連星)でも、この円ばんをもっている場合があります。アルマ望遠鏡は今回の観測で、ふたご星のまわりの円ばん(19個)のかたむきを調べました。2つの星が1か月以内にまわり合う「近いふたご星」の場合、円ばんはふたご星の軌道(きどう)と同じ平面上にありました。しかし、まわり合うのに1カ月以上かかる「遠いふたご星」の場合、円ばんはかたむいている場合が多いことがわかりました。なかには、ものすごく大きくかたむいているものもありました。

◎だれが調べたの?

アルマ望遠鏡による原始惑星系(げんしわくせいけい)円ばんの観測は、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のイアン・チェカワさんがリーダーをつとめる8名の天文学者のチームによって行われました。イアンさんたちは、天文学の専門雑誌「アストロフィジカル・ジャーナル」にこの研究結果を発表しました。

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