赤ちゃん星とぐるぐるうずまき

ゆうえんちでメリーゴーランドやティーカップに乗ったときのことを覚えていますか?回転が速くなると、外におし出されるような感じがします。その力にさからって、自分の体を中心にもっていくのはとてもむずかしいでしょう。

宇宙でも、これと同じ遠心力(えんしんりょく)がはたらいています。回転する物体は、外側にふきとばされます。そのため、回転円ばんにかこまれた『赤ちゃん星』の成長のようすは、少しなぞめいています。

赤ちゃん星は、ガスやちりでできた大きな雲の中から生まれます。この大きな雲は、重力によって小さくちぢむと、平らな回転円ばんに変化します。やがて、回転円ばんのまんなかに赤ちゃん星が生まれます。

しかし、赤ちゃん星は、円ばんから大量の「ガス」をとりこまないと成長することができません。じつは、回転するメリーゴーランドで遠心力がはたらいていたように、回転する円ばんでもガスを外にふきとばそうとしています。では、回転円ばんのガスは、どうやって中心の赤ちゃん星にとりこまれるのでしょう?

研究者たちは、コンピューターシミュレーションを使って、このなぞを解明する方法を見つけました。赤ちゃん星の円ばんに向かってまわりからガスが流れこんでいた場合に、何がおきるのかを計算したのです。すると、円ばんは、ぐるぐるとうずをまいたような形をつくることがわかりました。うずまきの「うで」の部分では、ガスやちりの量がほかよりも多くなっています。このうずまきのうでにそって、星の材料となるガスが、中心の赤ちゃん星に向かってかんたんに流れていくというわけです。

アルマ望遠鏡のよく見える目のおかげで、赤ちゃん星をとりまく回転円ばんでぐるぐるとうずまく形が初めて発見されました。どうやら、研究者たちの予想は正しかったようです!ほかの生まれたばかりの赤ちゃん星のまわりで同じようなうずまきが発見されたら、天文学者は星の成長についてはるかによく理解できるでしょう。


◎ぐるぐるうずまきは、どこにある?

宇宙のうずまきもようは、生まれたばかりの赤ちゃん星「HH 111」をとりまく大きな円ばんで発見されました。オリオン座の方向、地球から1300光年はなれたところにあります。赤ちゃん星はおよそ50万年前に生まれ、宇宙ではとてもわかい星です。その光は、ちりの多い大きな分子雲にかくされているので、ふつうの望遠鏡では見ることができません。過去に赤外線望遠鏡で調べたところ、赤ちゃん星の円ばんの直径(ちょっけい)は、およそ500億kmでした。アルマ望遠鏡は、円ばんの中のちりのつぶが出す弱い電波「サブミリ波」を観測することで、円ばんのなかでもとくに密度(みつど)の高いうずまきの「うで」を発見することができたのです。

◎だれが調べたの?

赤ちゃん星の円ばんの研究は、台湾の中央研究院天文及天文物理研究所のチンフェイ・リーさん、米国バージニア大学のジーユン・リーさん、米国ジェット推進研究所・カリフォルニア工科大学のニール・ターナーさんによって行われました。この新しい発見は、「ネイチャー・アストロノミー」に発表されました。

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