ふたご星のおやつ?宇宙のプレッツェル

天文学者たちは、アルマ望遠鏡の新しい観測画像を見て、おかしの「プレッツェル」を思い出しました。もちろん、宇宙に本物のプレッツェルなんてありませんよね。では、このおかしな形は何を示しているのでしょうか? それに、宇宙プレッツェルの中心でかがやく2つの明るい点は何なのでしょうか?

じつは、この画像は、ふたごの赤ちゃん星の成長のようすです。ふたご星は、ガスやちりでできた同じ雲の中から同時に生まれました。アルマ望遠鏡は、星の材料になるガスやちりが、どうやってふたつの赤ちゃん星にとりこまれていくのかを明らかにしました。

星がひとりっ子で生まれた場合、雲の中のガスやちりは、その星のまわりに平らな回転円ばんを作って、そこにどんどんふりつもっていきます。そして円ばんから、生まれたばかりの赤ちゃん星に向かってガスが落ちていきます。このような円ばんは「星周円盤(せいしゅうえんばん)」とよばれていて、プレッツェルというよりはピザのような形をしています。

今回観測したふたご星の場合は、ようすがちがいます。そうです、両方の赤ちゃん星がそれぞれ円ばんにかこまれているのです。2つの円ばんは、アルマ望遠鏡の画像では明るい点として見えています。このふたご星は、おたがいの星をまわり合っているので、近くのガスやちりをかきまわします。

すると、ふたご星のまわりの雲のガスは、2つの円ばんに同じようにはふりつもりません。その代わり、ガスは、巨大な輪っかがねじれたような形にそって流れていきます。これが、宇宙のプレッツェルの正体です。ふたご星は、プレッツェルの形をした雲から流れてくるガスをとりこむことで成長しているのです。

このふたご星の過去の観測では、ひとつの大きな電波のかたまりしか見つけられませんでした。アルマ望遠鏡はとてもよく見える目をもっているので、天文学者たちは2つの星のまわりの円ばんだけでなく、そのまわりに変わった形の巨大な天体があることを明らかにしました。

この結果は、「連星(れんせい)」とよばれる、ふたごのきょうだい星がどうやって生まれるのかを理解する手がかりになります。宇宙の多くの星たちはふたごで生まれるので、科学者にとってとても重要な研究といえます。


◎「[BHB2007] 11」って、どんな星?

生まれたばかりのふたご星をとりかこむ宇宙のプレッツェルは、「[BHB2007] 11」として知られています。このふたご星は、天文学者エドワード・バーナードさんにちなんで「バーナード59」とよばれる、ガスやちりの多い暗い雲の中にあります。バーナード59は、へびつかい座のパイプ星雲の一部です。この星雲は、地球からおよそ500光年はなれています。ふたごのきょうだい星は、およそ42億km(太陽と海王星のあいだと同じくらい)の距離をおたがいにまわり合っています。それぞれの星は、ガスやちりでできた円ばんにかこまれています。円ばんのサイズは、太陽系でいえば火星と木星のあいだにある小惑星帯(しょうわくせいたい)と同じくらい、およそ8億kmほどです。

◎だれが調べたの?

アルマ望遠鏡によるふたごの赤ちゃん星「[BHB2007] 11」の観測は、ドイツのマックスプランク地球外物理学研究所のフェリペ・アルブスさんがリーダーをつとめる7人の天文学者のチームによって行われました。フェリペさんは、ドイツ、スペイン、ブラジルのなかまと協力しました。この結果は、科学雑誌「サイエンス」で発表されました。

◎アルマ望遠鏡ホームページでくわしくチェック!

英語ニュースはこちらへ