きらきらひかる、大きなブラックホール
アルマの発見

きらきらひかる、大きなブラックホール

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天の川銀河(ぎんが)のまんなかにあるブラックホールは、きらきらまたたいていました。

もちろん、ブラックホールそのものは光を出しません。でも、ブラックホールのものすごい重力がまわりにあるガスをひっぱってくるので、ブラックホールのまわりにたくさんのガスがたまっています。このガスはブラックホールのまわりをぐるぐる回っていて、とても熱くなって、そして光るのです。光だけではなくて、私たちに見えない電波(でんぱ)も出しています。アルマ望遠鏡は、この電波を観測することに成功しました。

天の川銀河のまんなかにあるブラックホールは、「いて座(ざ)A(エー)スター」と呼ばれています。これまでの観測から、いて座Aスターはときどき赤外線やエックス線を強く出すことがわかっていました。こんなふうにとつぜん明るくなることを「フレア」といいます。ブラックホールのフレアから出てくる電波は弱くて、これまで観測されたことがありませんでした。しかも、フレアがいつ起きるかは、よそうができませんでした。アルマ望遠鏡で調べたところ、だいたい30分に1回くらいはフレアが起きていることがわかりました。

いて座Aスターのまわりにたまっているガスは、だいたい30分かけてブラックホールのまわりをぐるっと回ります。これはものすごいスピードで、光の速さの1/3にもなります。フレアが起きるタイミングと、ガスがブラックホールを回るのにかかる時間がだいたい同じなので、フレアはガスの回転と関係があるのではないかと天文学者は考えています。

ブラックホールを回るガスの中に、とっても熱いところがあったとしましょう。この熱いところが30分かけてブラックホールをぐるぐる回ります。私たちがこのブラックホールを横のほうから見ているとすると、あるときには熱いところが私たちに向かってくるように見え、またある時には熱いところが私たちから遠ざかっていくように見えるはずです。この熱いガスのかたまりはもうれつなスピードで動いているので、私たちに向かってくるときにとても明るく見えます。もしこんなことが起きてたら、いて座Aスターのまわりの円盤は、30分に1回、とても明るく見えることになります。

アルマ望遠鏡でいて座Aスターのまわりのフレアを調べると、ブラックホールのすぐ近くのようすがわかります。アルマ望遠鏡は、世界のほかの望遠鏡と力を合わせていて座Aスターのまわりの写真をとることにちょうせんしました。でも、明るさがどんどん変わってしまうので、データを1枚の写真にするのはとてもむずかしいようです。


何を調べたの?

天の川銀河のまんなかにあるブラックホール、いて座Aスターは、太陽の400万倍のおもさがあると考えられています。でも、こわがる必要はありません。このブラックホールは、地球から27000光年もはなれたところにあるからです。いて座Aスターのまわりには、熱いガスがぐるぐると回っています。このガスはやがてブラックホールにすいこまれますが、外側からどんどん別のガスが流れこんできます。ガスの円ばんのいちばん内側は、ブラックホールから3000万キロメートルのところにあります。これは、地球と太陽の間のきょりの1/5しかありません。

だれが調べたの?

アルマ望遠鏡を使ったいて座Aスターの研究をしたのは、慶應義塾(けいおうぎじゅく)大学の岩田悠平(いわたゆうへい)さんのほか、岡朋治(おかともはる)さん、坪井正人(つぼいまさと)さん、三好真(みよしまこと)さん、竹川俊也(たけかわしゅんや)さんのチームです。いて座Aスターの観測は、2017年10月5日から20日のあいだの10日間行われました。この研究結果は、雑誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」で発表されました。

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