アルマ望遠鏡が見た「シャボン玉星」

アルマ望遠鏡が見た「シャボン玉星」

Read time: 1 minute

この星雲は、何に見えますか? シャボン玉? そうですね。

シャボン玉を作るときに目立つのは、にじ色に光る表面です。この表面は、とてもうすいもので、だいたいどこも同じあつさを持っています。アルマ望遠鏡がさつえいしたこの写真は、星のまわりにできた大きな大きな泡(あわ)です。

この泡は、どうしてできたのでしょう? じつは、まんなかの星からふきだしたものです。この星は、ポンプ座U星とよばれていて、南の空にある星座「ポンプ座」で赤く光る星です。2700年くらい前、ポンプ座U星はガスをブワッとふきだしました。そしてそれが何百年もつづきました。いまでは、この泡の大きさは3兆キロメートルにまでひろがっています。

星のまわりにできた泡は、とてもうすくて、とてもきれいですね。アルマ望遠鏡の観測によれば、このガスが1秒間に19キロメートル進む速さでひろがっているのだそうです。

ポンプ座U星は、お年寄りの星です。星は一生の最後に近づくと大きくふくらみ、ガスを宇宙空間にまきちらします。つまり、ポンプ座U星も一生の最後に近づいているのです。やがて、星はガスをまきちらしながらやせ細っていき、白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ばれる星の芯(しん)だけが残ります。

星からふきだしたガスは、長い時間かかってだんだん冷たくなっていき、砂粒のようにかたまります。こうしてできた砂粒は、地球のような惑星の材料になります。死んでいく星を調べることは、次の世代の星の材料を調べていることになるのです。

なにを?

ポンプ座U星は、明るさの変わる星、「変光星(へんこうせい)」です。この星は地球から1630光年のところにあります。2700年ほど前、ポンプ座U星はたくさんのガスを宇宙にはきだしました。1年間に地球3つ分の重さと同じだけのガスをふきだしているのです。

だれが?

アルマ望遠鏡を使ってポンプ座U星を観測したのは、オーストリアのウィーン大学にいた天文学者フランツ・ケルシュバウムさんたちのチームです。チームには、オーストリア、スウェーデン、ベルギー、フランス、ドイツ、南アメリカの人たちがいます。

ALMA URL