131億年前の宇宙に酸素を発見!
アルマの発見

131億年前の宇宙に酸素を発見!

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天文学者たちは、131億光年も遠くの銀河に酸素を見つけました。これはつまり、131億年前の銀河を見ていることになります。この時、宇宙は生まれてからまだ7億年でした。ずっと昔の銀河に酸素を見つけた、ということも言えますね。

酸素は、ガスの一種です。地球の大気にもたくさん含まれています。人や動物は、酸素を吸うことで生きることができます。しかし131億年前の宇宙に酸素を見つけたといっても、そこに人や動物がいるというわけではありません。まだ生き物もいないでしょうね。

でも、この発見はとても大切なことです。宇宙が138億年前に生まれた時には、まだ水素とヘリウムしかこの宇宙にはありませんでした。酸素やほかの元素は、もっと後で星の中で作られたのです。ですので、宇宙が生まれて7億年の時点で酸素があったということは、その間に生まれた星の中で個の酸素が作られたということになります。

さらにいろいろなこともわかります。今回見つかった酸素には、ふつうは8つついている電子が6つしかありませんでした。残りの2つはどこに行ったのでしょう?実は、まわりにある星の光がとても強いため、はじき飛ばされてしまったらしいのです。そんなに強い光を出せるのは、太陽の何十倍もあるとても大きな星にちがいありません。

この銀河には水素も見つかっていますが、酸素の水素に対する割合は、それほど大きくありません。太陽での割合に比べると、10分の1くらいです。それは、まだ宇宙が若かったころを見ているからです。このときには、まだ酸素があまりできていなかったのしょう。炭素やちりは、酸素よりもっと少なかったようです。

今回の発見から、宇宙の始まりのころに生まれた巨大な星が、とても明るく光っていたということがわかりました。さらに、まわりには光をさえぎるちりがあまりないので、星の光は銀河の外にもたくさん届いていたことでしょう。星たちの光を受けて、銀河のまわりをおおっていた水素の霧が消えてしまうほどです。

今回の酸素の発見は、アルマ望遠鏡がどんなふうにして宇宙の始まりのころを調べることができるのかを教えてくれます。

何を発見したのですか?

酸素が見つかった銀河は、SXDF-NB1006-2という名前で、131億光年先にあるとても小さく暗い銀河です。131億年の間宇宙を飛んでいる間に、光の波は長くのばされてしまいまし

た。酸素が出す光は波長88マイクロメートルの赤外線ですが、アルマ望遠鏡でキャッチした時には波長725マイクロメートルの電波になっていました。

だれが発見したのですか?

この発見は、大阪産業大学の井上昭雄(いのうえあきお)さんのほかに日本とスウェーデン、イギリス、ヨーロッパ南天天文台の研究者が集まったチームで行ったものです。アルマ望遠鏡での観測の前に、井上さんたちは、コンピュータシミュレーションで酸素の光が十分明るいことを確かめていました。この結果は、科学雑誌サイエンスで2016年6月16日に発表されました。


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