アルマの発見 霧の中で惑星が生まれる? Read time: 1 minute 朝に霧(きり)が出ていたとしても、太陽がのぼれば消えてしまいます。そこでもし太陽がもっとまぶしく、もっと熱かったら、どんなことが起きるでしょうか?もちろん、霧はすぐにで消えてなくなるでしょう。星が生まれる時にも同じことが起きるだろう、と天文学者は考えています。赤ちゃん星はガスとちりの円盤(えんばん)に囲まれています。星がずっと明るかったら、きっとこのガスはすぐに消えてなくなってしまうと思いますよね? アルマ望遠鏡は、そうではないということを発見しました。 天文学者たちは、アルマ望遠鏡を使って、500万才から1000万才くらいの若い星を24個観測しました。星のまわりのちりは、すでに合体して大きな岩のかたまりになっていることでしょう。こうしたかたまりがさらにぶつかって合体する時には、こまかい破片が飛び散ります。この破片が星を取り巻いたものは、「残がい円盤」と呼ばれます。 アルマ望遠鏡で観測した3つの残がい円盤に、たくさんの一酸化炭素(いっさんかたんそ)ガスが見つかりました。おかしなことに、太陽の2倍くらいある巨大な星のまわりの円盤にガスが見つかったのです。大きな星は熱く明るいいっぽうで、小さい星は暗く温度が低くなります。おどろくべきことに、暗い星のまわりほどガスがなかったのです。 これは、予想とはまったく逆の結果でした。最初に説明した通り、明るい大きな星のまわりはガスがなくなっていると予想されていたからです。発見された一酸化炭素ガスがどのようにして作られたのかは、よくわかっていません。大きな星であっても、それほどうまくガスを吹き飛ばせないのかもしれません。あるいは、円盤の中でガスが作られているのかもしれません。円盤の中で彗星(すいせい)どうしがぶつかったりすると、ガスがでてくるかもしれません。 アルマ望遠鏡による観測で、巨大星が生まれてくるところに新たなナゾができてしまいました。巨大星のまわりにある残がい円盤に何百万年もガスがたくさん残っていられるなら、木星や天王星などの大きな惑星(わくせい)の材料になるしれません。 何を発見したのですか? アルマ望遠鏡で観測された24個の星は、さそり座とケンタウルス座にあります。ここには何百個もの若い星がいて、それらは500万~1000万才です。太陽くらいのふつうサイズの星もあれば、太陽の2倍もある巨大星もあります。 だれが発見したのですか? アメリカのウェズリアン大学の学生、ジェシー・リーマン=サイフリーさんたちのチームが、2013年12月から2014年12月の間に24個の星をアルマ望遠鏡で観測しました。一緒に研究したのはウェズリアン大学のメレディス・ヒューズさん、カリフォルニア工科大学のジョン・カーペンターさん、SETI研究所のウマ・ゴルティさん、アメリカ国立電波天文台のアントニオ・ハレスさんとケヴィン・フラハティさんです。この発見は、アストロフィジカル・ジャーナルで発表されました ALMA URL