ALMAで何が見えますか? 太陽では、どうして爆発が起こるの? Read time: 1 minute 太陽は、夜空に見える星と同じ、ひとつの星です。別の言い方をすれば、夜空に見える星はすべて太陽と同じだということです。ではなぜ、夜空の星は小さな光の点なのに、太陽はとても大きくて明るく、熱いのでしょうか?それは、太陽がとても近くにあるからです。地球は太陽から1億5,000万kmはなれたところを回っていますが、それに対して、地球から一番近い星は400億kmもはなれています。 星は、とても大きなガスの球です。太陽のおおきさは地球の100倍以上の140万km、中心部の温度は約1,500万度です。星の中心部では、「核融合(かくゆうごう)反応」によってエネルギーが作られています。 太陽は地球のすぐ近くにあるので、宇宙にある星の中で一番よく研究が進んでいますが、それでもまだわかっていないことがたくさんあります。ナゾのひとつに、「黒点」があります。太陽の表面にある大きくて黒いシミのような部分は、まわりよりも温度が低くなっていて、黒点と呼ばれます。黒点の数は、およそ11年ごとにふえたりへったりします。太陽で起こる大爆発(フレア)も、11年ごとに数がふえたりへったりします。どうしてこのようなことが起きるのかは、まだわかっていません。 もうひとつのナゾは、太陽のまわりの「コロナ」です。コロナはとてもうすいのですが、信じられないほど温度が高く、数百万℃にもなります。これは太陽の表面温度(たったの5,600℃)よりもずっと高い温度です。なぜコロナがそんなに熱くなったのか、理由はわかっていません。 こうしたナゾについて考えることは、実は大切なことです。地球上の生き物はすべて、太陽から届く光のおかげで生きていられるからです。もし太陽が止まってしまったら、地球にまた氷河期がやってくるかもしれません。そのため、この11年の変化がなぜ起こっているのかを理解する必要があるのです。また、太陽の熱いコロナの中で起きる大爆発は、危険な物質を宇宙空間にまき散らしています。それらの物質が地球にやってくると、人工衛星がこわれてしまうことがあります。また、コンピュータのネットワークがこわれたり、停電が起きたりする可能性もあります。こうしたことを防ぐためにも、コロナがなぜこれほど熱くなるのか、太陽爆発はどうして起こるのかを解き明かす必要があるのです。 太陽フレアで放出される電波をアルマ望遠鏡で観測すれば、どうしてコロナが熱くなるのかというナゾを解くヒントが得られると、天文学者は期待しています。 太陽はものすごく明るいので、直接太陽を見ると目が見えなくなってしまうかもしれません。ぜったいに望遠鏡を太陽に向けてはいけません。しかし、アルマを使えば問題なく太陽をくわしく見ることができます。アルマのアンテナの表面は、太陽の光と熱をあらゆる方向に反射するので、望遠鏡の大切な部品である受信機に光や熱が集中することはありません。研究に必要な太陽からの電波だけが集められ、受信機に送られます。