ブラックホール? マグネター? なぞの爆発の正体
In an ordinary core-collapse supernova with no “central engine,” ejected material expands outward nearly spherically, left. At right, a strong central engine propels jets of material at nearly the speed of light and generates a gamma-ray burst (GRB). The center panel shows an intermediate supernova like SN 2012ap, with a weak central engine, weak jets, and no GRB.

ブラックホール? マグネター? なぞの爆発の正体

読むのにかかる時間: 1 minute

地球では、毎日35万人以上の赤ちゃんが生まれています。もしその数が多いと思ったら、宇宙に目を向けてみましょう。宇宙では、毎日1億個以上の星が生まれています。そして最近、宇宙で「何か」が生まれたようです。それは、これまで天文学者たちが見たことのないものでした。

その「何か」は、ものすごく明るい爆発の中で生まれました。天文学者は、明るくかがやく爆発を見つけておどろきました。もしあなたが宇宙で何か新しいものをみつけたとき、どんなにワクワクするか想像してみてください!天文学者は、アルマ望遠鏡など、世界中の望遠鏡を使って調べはじめました。でも、今のところ、その爆発が何なのかはわかっていません。

なぞの爆発の正体をつきとめるため、宇宙でおきる他の爆発を理解すれば、何か手がかりがつかめるかもしれません。それは、巨大な星が一生の終わりにおこす超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)よりもずっと明るく見えました。ということは、これはふつうの超新星爆発ではありません。ならば、もっと明るい「極・超新星爆発(きょく・ちょうしんせいばくはつ)だろうか?」と天文学者たちは考えました。

極超新星爆発は、超新星爆発よりもずっと重い天体が死をむかえるときに引きおこされます。きわめてはげしい爆発です。極超新星爆発は、数秒間しか続きません。でも、なぞの爆発は一週間も続きました。ということは、極超新星爆発でもなさそうです。

天文学者たちは、このばくはつを説明する新しいアイデアを思いつきました。「この爆発の中心には強力なエンジンがあるにちがいない」と考えたのです。このエンジンは、「マグネター」とよばれる、強力な磁力(じりょく)をもつ高速回転する死んだ星の可能性があります。もしくは、「ブラックホール」の可能性もあります。

マグネターやブラックホールは、大爆発の直後に生まれるものと考えられます。このようにして生まれた天体は今まで見つかったことがありません。天文学者たちは、この爆発で生まれたのが、ブラックホールなのか、それともマグネターなのか、まだ答えをだせていません。それには、この爆発をもっとくわしく調べる必要があります。

天文学者たちは、この爆発と似た他の天体を見つけるためにアルマ望遠鏡を使っています。うまくいけば、まもなく、なぞの爆発の正体がわかるかもしれません。


◎「AT 2018 cow」って、どんな天体?

なぞの爆発は、「AT 2018 cow(エーティー 2018 カウ)」とよばれています。Cow(カウ)という言葉は、牛(うし)という意味もあります。ただ、この爆発は、牛とは関係ありません。天文学では、発見した天体に名前をつけるときにアルファベットを使うというルールがあります。この天体は、たまたま「c o w」というアルファベットが使われました。この爆発は、地球から2億光年はなれた場所でおこりました。そして、通常の超新星爆発よりも10倍から100倍の明るさでかがやきました。

◎だれが調べたの?

AT 2018 cow爆発は、2018年6月16日、ハワイにあるアトラス望遠鏡によって初めて発見されました。この爆発は、世界中の天文学者の注目のまとになりました。そして、たくさんの望遠鏡がこの天体を見つめました。カリフォルニア工科大学のアンナ・ホーさんは、南米チリにいくつかある望遠鏡の中で、アルマ望遠鏡を使った研究チームのリーダーをつとめました。ノースウェスタン大学のラファエラ・マルグッティさんは、アメリカの超大型望遠鏡VLAなど、いろいろな望遠鏡を使った研究チームのリーダーをつとめました。アンナさんたちは、2019年1月、アメリカ・ワシントン州シアトルで開かれた米国天文学会の会合で、この天体の発見について報告しました。

★アルマ望遠鏡ホームページでくわしくチェック!

英語ニュースはこちらへ