132億光年先の銀河に砂粒を見つけた!

アルマ望遠鏡が、また新記録を出しました。銀河 A2744_YD4は、これまでアルマ望遠鏡が観測した中でいちばん遠くにある天体です。この銀河はとても遠くにあるので、この銀河を飛び出した光が地球にとどくまでに、132億年もかかります。つまり、天文学者は132億年前のこの銀河のようすを見たことになります。このとき、宇宙は生まれてから6億年しかたっていませんでした。

天文学者たちは、A2744_YD4にたくさんの砂粒がふくまれていることに、とてもおどろきました。この銀河の重さは太陽20億個分ですが、アルマ望遠鏡の観測からは、太陽600万個分の重さの砂粒がこの銀河のなかにただよっていることがわかりました。ものすごい量ですね。

宇宙が生まれたのは、今から138億年前です。この時、宇宙には水素とヘリウムしかありませんでした。でも、今回観測された銀河の中には、たくさんの砂粒がありました。砂粒は、炭素やケイ素、アルミニウムなどでできています。こうした物質は、宇宙のはじまり(ビッグバン)のときにはなかったはずです。では、どこでできたのでしょう?

答えは、超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)です。ビッグバンから4億年くらいたったころ、A2744_YD4のような銀河のなかでたくさんの星が生まれはじめました。星の中では、いろいろな物質が作られます。星が死ぬときの大爆発(超新星爆発)では、星の中で作られた物質が、宇宙空間に飛び散ります。さらに、超新星爆発のしゅんかんに新しくできる物質もあります。こうしてできた物質が長い時間をかけてだんだん集まってきて、そして砂粒になるのです。この砂粒の大きさは、1ミリメートルの千分の一のさらに百分の一くらいしかありません。でも、こんなに小さな砂粒でも、電波を出します。宇宙が生まれてから6億年たったころ、銀河A2744_YD4にはたくさんの砂粒がたまっていました。アルマ望遠鏡は、この砂粒が出した弱い電波をキャッチしたのです。

A2744_YD4のなかでは、星がものすごいいきおいで生まれています。私たちの住む天の川銀河では、星は1年にひとつくらいしかできませんが、A2744_YD4ではその20倍くらいのスピードで星ができているのです。

アルマ望遠鏡が観測したことで、とおくの宇宙のようすがよりよくわかりました。でも、まだまだナゾはたくさんあります。例えば、最初の銀河はいつできたのでしょうか? 最初の星はいつ生まれたのでしょうか? そして、どんなふうにしていろいろな物質が宇宙にひろがったのでしょうか? アルマ望遠鏡は、こうしたナゾにこれからもいどみ続けます。そして「遠くの銀河の新記録」も、アルマ望遠鏡自身によってやぶられていくことでしょう。


なにを?

A2744_YD4は、132億光年の距離にある、おおきくて重い銀河です。でも、とても遠くにあるので、大きな望遠鏡を使っても観測するのはむずかしいです。

だれが?

A2744_YD4の観測は、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの天文学者ニコラス・ラポルテさんとリチャード・エリスさんたちのチームがおこないました。研究チームには、チリやヨーロッパのいろいろな国の研究者が入っています。この発見は、専門的な雑誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」で紹介されました。

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