1等星フォーマルハウトのまわりのリング

夜空の星のまわりをまわる惑星(わくせい)を見つけることは、とてもたいへんです。なぜなら、星たちはとても遠くにあって、惑星はとても小さいからです。でも、ちょっと工夫をすると、惑星を見つけることができます。

アルマ望遠鏡は、秋の夜空の1等星、フォーマルハウトを観測しました。すると、フォーマルハウトのまわりに、小さなすなつぶのような「ちり」がたくさん回っていて、まるでフラフープのようになっていることがわかりました。もしフォーマルハウトのまわりに惑星があるとすると、こんなフラフープのような「ちり」の輪ができるようです。

惑星は、若い星のまわりで生まれます。材料は、星のまわりにある「ちり」やガスです。「ちり」がたくさん集まると、かたい地面がある地球のような惑星ができます。「ちり」だけでなくガスもいっしょに集まると、ものすごくぶあつい大気をもつ木星のような惑星ができます。でも、すべての「ちり」が惑星になるわけではありません。惑星になりきれなかった

「ちり」もあって、これらは太陽のまわりをまわります。火星と木星のあいだにある「小惑星帯(しょうわくせいたい)」や、海王星より遠いところにある「エッジワース・カイパーベルト」も、惑星になりきれなかった「ちり」でできているのです。

フォーマルハウトのまわりの「ちり」も、惑星になりきれなかった岩のかけらたちです。この「ちり」の輪は、惑星よりもずっと大きいので、きれいな写真にとることができます。2012年、アルマ望遠鏡のいちばん初めの観測として、この輪が半分だけ撮影(さつえい)されました。そして今回、その輪の全体が写し出されました。

アルマ望遠鏡は、「ちり」だけでなく、雲のようなガスの広がりも調べました。このガスは、どこからやってきたのでしょう?それは、たくさんの氷でできた天体、つまりすい星がぶつかりあって粉々にくだけることでできたと考えられています。ガスのようすを調べると、フォーマルハウトのまわりのすい星は、太陽系のすい星によく似ていることがわかりました。

フォーマルハウトのまわりの輪は、まん丸ではありません。写真の左下と右上とを比べると、左下のほうが輪が星に近くなっています。これは、もしかしたら見えない惑星の重力のおかげかもしれません。

何年か前に、ハッブル宇宙望遠鏡がフォーマルハウトのまわりに惑星らしき天体をみつけました。さらに観測を続ければ、これが本当に惑星だったのかどうか、あるいはもっと他にも惑星があるのかどうかがわかることでしょう。


なにを?

フォーマルハウトは、みなみのうお座でいちばん明るい星です。フォーマルハウトは地球からたったの25光年のところにあるので、夜空でもかんたんに見つけることができます。フォーマルハウトは、太陽よりも2倍重い星ですが、その年令は太陽よりも10倍若く、4億4000万才だと考えられています。アルマ望遠鏡で撮影された「ちり」の輪は、フォーマルハウトから200億キロメートルのところに広がっています。これは、太陽から海王星までよりも4.5倍もとおいところです。この輪のはばは、およそ20億キロメートルです。

だれが?

この研究をしたのは、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の天文学者、ポール・カラスさんたちのチームです。カラスさんたちはこの研究を、ふたつの論文で発表しました。ひとつの論文は、アメリカのハーバード・スミソニアン天文物理学研究センターのメレディス・マクレガーさん、もう一つの論文はイギリス・ケンブリッジ大学のルカ・マトラさんが中心になって書いたものです。

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