生まれたばかりの銀河も、まわっていた 

生まれたばかりの銀河も、まわっていた 

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アルマ望遠鏡の観測で、銀河の赤ちゃんがまるでおとなの銀河のようにふるまっているようすが見えてきました。これには天文学者もびっくりです。赤ちゃん銀河のなかでは、星の材料になるガスがバラバラな向きに動いているとみんな信じていたのですが、観測してみると、赤ちゃん銀河のなかではガスがみんな同じ向きに動いていて、銀河全体がまわっていることが分かったのです。これは、私たちが住む天の川銀河、つまりおとなの銀河とまったくおなじです。 

宇宙の中では、とっても大きなガスの雲がつぶれることで銀河がうまれた、と考えられています。こうした赤ちゃん銀河は、天の川銀河に比べるととても小さくて、かたちもぼんやりしています。ドイツの天文学者、レンスキー・スミットさんは、そんな赤ちゃん銀河のなかでガスがどんなふうに動いているかを調べることにしました。 

スミットさんたちは、アルマ望遠鏡を使ってふたつの赤ちゃん銀河を観測しました。ふたつの赤ちゃん銀河は、光の速さで飛んでも130億年もかかる場所にあります。これはつまり、130億年前の銀河のすがたを私たちが見ている、ということになります。宇宙が生まれたのは138億年前ですから、宇宙が生まれてからたったの8億年しかたっていないころです。 

こんなに遠くにある銀河でも、アルマ望遠鏡のすばらしい視力と感度で、銀河の中のガスの動きを調べることができます。すると、この銀河の中でガスがぐるぐると回っていることがわかったのです。スミットさんたちのチームは、他の赤ちゃん銀河もおなじように観測してみたいと思っています。赤ちゃん銀河はみんなくるくる回っているのか、それとも回っていないものもあるのか? これからの研究であきらかになることでしょう。 

なにを? 

アルマ望遠鏡が観測した銀河は、130億光年はなれたところにあります。こんなとおくの銀河から飛んでくる弱い電波も、アルマ望遠鏡はキャッチすることができます。研究チームはこの電波をとてもくわしく調べ、銀河の片側のガスがわたしたちに近づいてくる方向に、反対側のガスが私たちから遠ざかる方向に動いていることを見つけました。これはつまり、銀河が回転していることをあらわしています。 

だれが? 

この研究をしたのは、イギリス・ケンブリッジ大学の天文学者レンスキー・スミットさんたちのチームです。チームには、オランダやアメリカ、スイス、チリの天文学者もいます。この発見は、専門的な科学雑誌ネイチャーで発表されました。また、アメリカ天文学会でも発表されています。 

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