アルマ望遠鏡で、ブラックホールの写真をとる
アルマの発見

アルマ望遠鏡で、ブラックホールの写真をとる

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あなたは、ブラックホールを見たことがありますか? そんなの無理?そうですね。ブラックホールは、光でもなんでも吸い込んでしまうので真っ黒に見えるはず。だから「ブラック」ホールという名前がついています。でも、天文学者は何とかしてブラックホールの写真をとれないかと考えています。私たちが住んでいる天の川銀河のまんなかにはとても大きいブラックホールがあって、アルマ望遠鏡でその写真をとろうとしているのです。

たしかに、ブラックホールからは光も電波も出てきません。でも、ブラックホールのまわりにあるもの、たとえばガスや砂粒のようなものからは、電波が出てきます。ブラックホールのまわりをまわるものの写真をとれば、きっとそのまんなかに、ブラックホールが黒いかげとして写るはずです。

でも、この写真をとるにはひとつ問題がありました。天の川銀河の中心にあるブラックホールは、地球から26000光年というとても遠くになるのです。ですから、ブラックホールの「かげ」があったとして、とても小さくしか見えないのです。その写真をとるためには、なんと地球と同じくらいの大きさの望遠鏡が必要です。

そんな望遠鏡を作ることはできません。でも、天文学者はかしこい方法を思いつきました。ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、ハワイ、そして南極にある小さな望遠鏡たちをつないで観測するのです。こうすると、地球サイズの望遠鏡と同じくらいよく見えるのです。

2017年4月、アルマ望遠鏡は、世界中の望遠鏡といっしょに観測をしました。たくさんの望遠鏡でとられたデータは、アメリカの天文台に集められて、とても性能のいいスーパーコンピュータを使ってくわしく調べられます。

その結果が出てくるには、ちょっと時間がかかります。ブラックホールが「黒い穴」としてうつっているかもしれませんし、もしかしたら、思ったような写真がとれていないかもしれません。でもこうした観測を続けていくことで、ブラックホールのふしぎを解き明かしていくことができるのです。


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