銀河から星の材料をぬすんだのはだれだ?

想像してみてください。あなたは、トレイに山積みにしたたくさんのレゴブロックをもって、外に出ました。外は風がとっても強くふいています。友達の家につくころには、ほとんどのブロックが風で飛ばされてしまっていました。もともとブロックは家や車をいくつも作れるくらいあったのに、なにも作れないくらい少なくなってしまったのです。

アルマ望遠鏡をつかった観測で、宇宙でも同じようなことが起きていることがわかりました。もちろん、宇宙にあるのはレゴブロックではありません。観測したのは、宇宙に広がる冷たい雲です。この雲がたくさんあると、そこから星が生まれます。

アルマ望遠鏡が観測したのは、ある銀河団です。銀河団には、銀河がたくさんふくまれています。ひとつの銀河には、太陽のような星が何千億個もふくまれていますので、その銀河がたくさんあつまった銀河団というのは、とってもおおきなものです。

アルマ望遠鏡の観測によって、いくつかの銀河が銀河団にすいこまれていくところが観測できました。銀河団の中にはとても温度の高いガスがつまっているので、銀河団にすいこまれる銀河はこの温度の高いガスとぶつかります。まるで、強い風をうけているようなものです。そのせいで、銀河にもともと入っていた冷たいガスがどんどん吹きとばされているようなのです。つまり、あたらしく銀河団になかまいりする銀河では、星の材料がなくなってしまい、新しい星がうまれなくなっているということがわかりました。

アルマ望遠鏡が観測した銀河団は、地球から94億光年というとても遠いところにあります。これはつまり、私たちが見ているのは94億年前の銀河団の姿ということになります。こんなに昔の宇宙では、銀河団がまさにできあがっているとちゅうでした。遠くの宇宙を調べることで、宇宙の歴史をさかのぼることができるのです。


なにを?

アルマ望遠鏡が観測したのは、XMMXCS J2215.9–1738という銀河団です。この銀河団は、ヨーロッパが打ち上げたエックス線観測衛星(えいせい)XMMニュートンが発見したものです。この銀河団はみずがめ座の方向に94億光年はなれたところにあります。この銀河団は、日本の国立天文台がハワイに作ったすばる望遠鏡でも観測されています。

だれが?

この研究をしたのは、国立天文台の林将央(はやしまさお)さんたちの研究チームです。この研究成果は、天文学専門の雑誌アストロフィジカル・ジャーナルで発表されました。

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