重たい赤ちゃん星も、ねじれたガスをふきだす

ここでお話しするのは、おおきくて重たい赤ちゃん星のことです。宇宙にある星はみんな、とても大きなガスの雲の中で生まれます。この雲が自分の重さでつぶれていって、だんだんガスがこくなります。さらに、ガスはどんどん早く回転をするようになります。ガスがまわると遠心力(えんしんりょく)が生まれるので、はじめは丸かったガスが平らになります。こうしてできた平らなガス雲のまんなかで、星がうまれるのです。さらにおもしろいことに、赤ちゃん星からは噴水(ふんすい)のようにガスがふきだします。これをジェットといいます。

平らなガス雲の中にうもれてジェットをふきだす赤ちゃん星は、これまでたくさん見つかっていました。でも、ひとつもんだいがありました。ガス雲が自分の重さでどんどんつぶれていくと、回転がものすごくはやくなるはずなのに、じっさいの星はそんなにはやく回っていないのです。ガスがまわるいきおいはどこに行ってしまったのでしょう?

アルマ望遠鏡を使って、このナゾにいどんだ天文学者がいました。日本の国立天文台で仕事をしている廣田朋也(ひろたともや)さんです。廣田さんたちは、オリオン大星雲のなかにある大きな赤ちゃん星を観測しました。アルマ望遠鏡はとても視力がいいので、この赤ちゃん星のまわりをとてもくわしく観測することができました。そして、赤ちゃん星からふきだすジェットがねじれるように回っていることを発見しました。このジェットがまわる方向は、星のまわりの平らなガス雲がまわる方向とおなじでした。つまり、ガス雲がまわるいきおいが、星からふきだすジェットによって遠くにはこばれていたのです。

他の観測で、ちいさな赤ちゃん星がふきだすジェットも回っていることがわかりました。つまり、赤ちゃん星が大きくても小さくても、ふきだすジェットはねじれるようにまわっていて、平らなガス雲が回転するいきおいを遠くに運ぶ役割をしているのです。だから、大人の星はあまりはやく回っていないのですね。星が生まれるときの大きなナゾが、アルマ望遠鏡によってひとつとけました。

なにを?

アルマ望遠鏡が観測した大きな赤ちゃん星は、オリオンKL(ケーエル)電波源I(でんぱげんアイ)と呼ばれています。地球から1400光年くらいはなれたところにあるオリオン大星雲のなかにあります。この星は、太陽より何倍も大きな星に成長することでしょう。地球からだとこの星を真横から見る形になるので、星からふきだすガスのジェットのうごきをくわしく調べることができました。

だれが?

この研究をしたのは、日本の国立天文台につとめる廣田朋也さんたちの研究チームです。研究チームには、日本、韓国、オランダの天文学者が入っています。この研究結果は、専門的な科学雑誌「ネイチャー・アストロノミー」で発表されました。

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