アルマはどうやって目に見えない光を見ているの?

いまあなたのまわりには、何がみえるでしょうか? これを読んでいる、パソコンの画面が見えるでしょう。あなたがいる部屋も見えますね。まどの外を見れば道や家が、空を見れば太陽が見えるでしょう。もし夜なら、空には月や星が見えるかもしれません。なぜこうしたものが目に見えるのでしょうか。

私たちが実際に見ているのは、可視光(かしこう)と呼ばれる光です。太陽や夜空の星は自分で光を出して、空で実際にかがやいています。月は自分では光を出していませんが、太陽の光を反射しています。そして私たちのまわりにあるすべてのもの、机、いす、車、家なども、太陽の光を反射しています。暗くなると、ライトがなければこうしたものは見えません。私たちは目を使って可視光をキャッチすることで、自分のまわりにあるものを見ているのです。光は、「瞳孔(どうこう)」(目の中心にある丸くて暗い色の穴)を通して目の中に入ります。瞳孔が大きいほど、たくさんの光が入ります。そのため、暗いところではたくさん光が目に入るように瞳孔が大きくなります。

目の後ろには網膜(もうまく)があります。この網膜で、目に入ってきた光をとらえます。網膜の小さい細胞は、光が当たると弱い信号を出します。この信号が脳に送られ、脳は送られてきたすべての信号を理解して、何が見えているのかを教えてくれます。

アルマ望遠鏡には66台のアンテナ、つまり66個の「目」があります。アンテナの直径は12mのものと7mのものとがあります。人間の目よりずっと大きいですね。そのため、たくさんの光をキャッチすることができます。でもアルマがキャッチしているのは目に見えない光です。アルマは、電波をとらえることができるように設計されているのです。

それぞれのアンテナの中には、「受信機」があります。受信機は、宇宙からやってきた電波をキャッチして、電気の信号に変えます。アルマの受信機は、人間の目で言えば網膜とおなじはたらきをしています。アルマのそれぞれのアンテナには、10種類の受信機をつけることになっています。アンテナは66台あるので、つまりアルマの網膜には66×10=660個の「細胞」があることになります。

アルマの受信機が空からやってくるかすかな電波をキャッチするには、受信機をものすごく冷たい場所に置く必要があります。冷たい場所でなければ、じゃまな電波が自然に発生して、宇宙からのかすかな電波がかき消されてしまうからです。そのため、受信機はマイナス269℃まで冷やされています。

アルマの受信機でキャッチされた信号は、巨大なコンピュータ(相関器)に送られます。このコンピュータはアルマ望遠鏡の脳のようなもので、受信したすべての信号を計算して何が見えているのかを教えてくれます。