ふたご星のまわりで惑星はどうやって生まれるの?

太陽は一人ぼっちの星ですが、天の川銀河にある星の多くはふたごです。2つの星が、おたがいのまわりを回っているのです。以前は、ふたご星のまわりには惑星(わくせい)はできないだろうと考えられていましたが、最近ではふたご星にも惑星がたくさん見つかってきています。アルマ望遠鏡による観測で、その誕生のようすがわかってきました。

若い星は、ガスとちりの円盤(えんばん)に囲まれています。やがてちりはおたがいにくっつき、小石サイズになり、岩になり、小惑星になり、さいごには惑星ほどの大きさになります。ふたご星のまわりでは、こうしたちりの成長が起きないと考えられていたのです。なぜでしょうか? それは、ふたつの星の重力によって、ちりがかき乱されてしまうと考えられていたからです。ちりがかき混ぜられてしまうと、おたがいにくっついて大きくなることができなくなってしまいます。

しかし、NASAのケプラー宇宙望遠鏡を使った観測で、ふたご星のまわりにも惑星がいくつも見つかっています。たしかに惑星はできているのです。では、どうやって? アルマ望遠鏡による観測で、きっと答えがわかるはずです。

アルマは、若いふたご星HD142527のまわりのガスとちりの円盤を観測しました。この星は地球から450光年のところにあり、「さそり座-ケンタウルス座アソシエーション」と呼ばれる若い星の集まりのなかにあります。HD142527のまわりの円盤では、ガスが一部分でなくなっているように見えました。

何かの理由で、この場所のガスがこおってしまったのかもしれません。冬の寒い日に、空気中の水分が車の窓ガラスにこおりついてしまうようなものです。若い星のまわりの場合、分子がくっつく先は窓ガラスではなく、ちりの粒です。こうして、ちりの表面はうすい氷でおおわれるようになる、と研究者たちは考えています。

ちりの粒が氷でおおわれると、別の粒とくっつきやすくなります。雪をまるめて雪玉を作りやすいのと同じです。ということは、ちりがくっついて惑星に成長していく最初のステップを、アルマでは見ることができたのかもしれません。

ながい時間をかけて、このふたご星のまわりでは惑星が生まれることでしょう。この惑星に暮らすのは、どんな感じでしょうか。太陽が2つあって、日の出や日の入りを1日に2回ずつ見ることができるでしょうね。

なにを?

HD142527は、生まれたばかりのふたご星です。大きいほうの星は太陽よりも少し大きく、小さいほうの星は太陽の3分の1くらいの重さです。ふたつの星は、15億kmくらいの距離をへだてておたがいのまわりを回っています。これは、太陽系では太陽から土星までの距離と同じくらいです。円盤内でガスがなくなっている部分は、これよりもずっと外側、中心の星から75憶kmくらいのところにあります。これは太陽から地球までの距離の50倍のところです。

だれが?

今回の発見をしたのは、アメリカのライス大学のアンドレア・イセラさんとヤン・ボーラ―さんたちのグループです。この発見は、アメリカのワシントンで行われた全米科学振興財団の会合で発表されました。

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