びっくり!若い星のまわりで氷ができるところを発見

キャンプファイヤーの火の中に、小さな木の棒を投げ込んだらどうなるでしょう?火は明るくなって、まわりはちょっと温度が上がりますね。同じようなことが、若い星のまわりでも起きているらしいのです!

生まれて数百万年の若い星のまわりには、ガスやちりでできた円盤がとりまいています。このガスやちりから、惑星(わくせい)が生まれるのです。いっぽうで、円盤の中のガスやちりは、ときどき中心の赤ちゃん星の重力にひっぱられて落ちていきます。すると、赤ちゃん星は少しだけ明るくなり、まわりの温度も上がります。

アルマ望遠鏡を使った観測で、赤ちゃん星がまさに明るくなっているところを初めてみつけることができました。そこで起きていたことは、例えるならば、雪がいっぱい積もっているまんなかでキャンプファイヤーをしているようなものでした。

アルマ望遠鏡が撮影した画像には、若い星のまわりの円盤(えんばん)が、暗い帯のようなものでふたつに分けられているようすが写っていました。この暗い帯の内側は、星からの光で温まっているので、水は蒸発してしまっています。でも帯の外側では温度が低くて、水はこおってしまっています。雪が積もった中でキャンプファイヤーをすることを想像してみると、火の近くは温度が高くて雪がとけていて、あるところから遠くは寒いので雪のまま残っているはずですよね。それと同じことです。

このさかいめが見える観測というのは、これまでほとんどありませんでした。というのも、氷がとけてしまう場所は赤ちゃん星のとても近くだけなので、星と見分けがつかなかったのです。

アルマ望遠鏡が観測した星は、オリオン座にあるのですが、実はとても珍しい星です。ちょうど赤ちゃん星にガスやちりがたくさん流れこんでいるところで、星が一時的にとても明るくなっていました。そのおかげで、星から遠いところでも氷がとけていたので、望遠鏡でその様子を見ることができたのです。

きっと私たちが住む太陽系も、むかしはこんな姿をしていたことでしょう。太陽系がどうやってできたかを考えるヒントが、この星にあるかもしれません。


なにを?

今回観測されたのは、オリオン座V883星という若い星です。有名なオリオン座の中にあり

ますが、この星はとても暗いので、大きな望遠鏡を使わないと見ることができません。星が一時的に明るくなることで星から遠いところにある氷がとけてしまう、というのは予想はされていましたが、実際に観測されたのはこれが初めてです。

だれが?

この研究は、チリのディエゴ・ポルタレス大学のルーカス・シエザさんたちが行ったものです。この発見は、世界的な科学雑誌ネイチャーで発表されました。