なぜ66台もアンテナがあるの?

フクロウの目は、とても大きいですね。これは、フクロウが夜行性だからです。暗いところで何かを見るには、とても大きな目が必要です。目が大きいほどたくさんの光が入り、暗くても見えるようになります。

さらに、目が大きいとはっきりよく見えるようになります。たとえば、クモの目はとても小さいのでぼんやりとしかものを見ることができません。フクロウの目は大きいので、ものがはっきりと見えます。目が大きいほど、見ているものの細かい部分がどうなっているのかがよくわかります。

望遠鏡は宇宙について調べるための人工的な目です。目と同じで、望遠鏡が大きいほど暗い星をよく見ることができます。そして大きいほど細かい部分をよく観察できます。天文学者がいつも大きい望遠鏡を作りたがるのはそのためです。

とても大きな望遠鏡を作るのはむずかしく、お金もたくさんかかります。でも2台以上の小さい望遠鏡を組み合わせて使えば、1台の大きな望遠鏡と同じようなはたらきをします。たとえば、双眼鏡は2台の望遠鏡をつなげたものです。2台の望遠鏡を使うことで、大きな1台の望遠鏡と同じくらいたくさんの光を取りこむことができます。つまり、1台の双眼鏡は目が2つある望遠鏡なのです。

アルマでは、それをさらに一歩進化させています。アルマは66個の目を持つ望遠鏡です。そのため、暗いものまでとてもよく見えるのです。

しかも、それだけではないのです。アルマの1個1個のアンテナはとても大きく広げて置くことができ、それぞれのアンテナはとても大きな目の一部としてはたらきます。つまり、アルマを使ってものすごく細かいものを見ることができるようになります。アルマの視力は、直径16kmの巨大なアンテナ1台と同じくらい(東京の山手線の大きさと同じくらい)という信じられないものです。実際にはそんなに大きな1台のアンテナを作ることは不可能ですが、たくさんのアンテナをつなげることによって「視力6000」を実現します。

アルマのアンテナはあちこちに動かすことができます。アンテナの間をせまくすると、視力は落ちますが、空の広いはんいを見ることができます。カメラの広角レンズを使うときのような感じです。アンテナの間を遠くはなして置くと、見える空のはんいはせまくなりますが、小さいものがくっきり見えるようになります。カメラの望遠レンズを使うような感じです。

これらを組み合わせて、アルマは1台の巨大なズームレンズのようなはたらきをします。

66という数に何かヒミツがあるのだと思うかもしれませんが、それは違います。44台でも、88台でも同じことができます。もしかすると、アルマには将来もっとたくさんのアンテナが取りつけられるかもしれません。そうすればアルマ望遠鏡でもっと細かいものをはっきり見られるようになるでしょう。