すなつぶを集めたのはだれだ?

これは何の写真かわかりますか? アルマ望遠鏡のホームページをよく見ている人だったら、おなじような写真を見たことがあるかもしれません。これは、たくさんの小さなすなつぶやガスが、若い星のまわりを取り巻いているようすです。CDのようにうすくて、星のまわりを回転しています。天文学者は、これを「原始惑星系円盤(げんしわくせいけいえんばん)」と呼びます。この円盤(えんばん)のなかで、長い時間をかけてすなつぶやガスがかたまっていき、やがて惑星(わくせい)になるのです。

真ん中にある若い星は、アルマ望遠鏡では見ることができません。アルマ望遠鏡は電波(でんぱ)を観測しますが、星はあまり電波を出さないのです。でも、そのまわりにあるガスやすなつぶは、電波を出します。だからアルマ望遠鏡を使うと、CDのような円盤の写真をとることができるのです。

この写真には、外側と内側のふたつの円盤がうつっています。内側の円盤はぜんたいがとても明るいのに、外側の円盤は写真の左上のところだけが明るくなっています。ふたつの円盤のあいだには、あまり光っていないところがあります。ここには、電波を出すすなつぶがあまりないようです。もしかしたら、ここにはもう惑星ができていて、その重力によってすなつぶが「おそうじ」されてしまっているのかもしれません。

外側の円盤が、左上だけ明るいのはどうしてでしょう?たぶん、ここにはすなつぶが特にたくさん集まっているのです。こうした場所を、「ダストトラップ」といいます。「ダスト」とは「すなつぶ」のこと、「トラップ」は「つかまっている」という意味です。どうしてここにすなつぶがたくさん集まっているかというと、これもやはり惑星の重力が原因です。ここに集められたすなつぶは、たがいにぶつかって合体し、やがてここで惑星がもうひとつ生まれることでしょう。

天文学者は、惑星ができるためにはダストトラップがとても重要だと考えています。もしダストトラップがなかったら、すなつぶは真ん中の星の重力に引かれて落ちて行ってしまうからです。でも、アルマ望遠鏡ができるまでは、ダストトラップを実際に写真にとることはできていませんでした。アルマ望遠鏡はとても視力がよく、また弱い電波までキャッチすることができるので、若い星のまわりに実際にダストトラップができていることを初めて確かめることができました。

なにを?

この写真は、若い星オリオン座V1247星のまわりを取り巻く原始惑星系円盤です。この星は、地球からおよそ1000光年離れたところにあります。

だれが?

アルマ望遠鏡によるオリオン座V1247星の観測は、イギリスのエクセター大学のステファン・クラウスさんたちの研究チームが行いました。この観測結果は、天文学の専門的な雑誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」で発表されました。

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